フラッグマン(FLAGMAN)任天堂/ゲーム&ウォッチ(シルバーシリーズ)/1980年頃
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任天堂の「ゲーム&ウォッチ(G&W)」は現在でも根強い人気を得ています。 G&Wの魅力は統一されたデザイン感のある本体やゲーム内容にもありますが、 ゲームキャラクターの持つ魅力も忘れてはいけません。 ゲーム内容は良いのにキャラクターがイマイチな為に熱中できないといった事は 現在のゲームでもしばしばある様にゲームにおいてのキャラクターはかなり重要な要素であると言えます。 今回紹介する「フラッグマン」は画面中央に配置されたフラッグマンが印象的で、 数ある電子ゲームの中でもかなり個性的なキャラクターだと思います。 ところがG&Wと言うのは、大抵キャラクターはあちこち動いて忙しいゲームです。 「フラッグマン」の場合は画面中央にいる大きなフラッグマンの影響で 「動きの少ないゲーム」=「つまらない」と言う図式が少なからずあったようで、 G&Wの中でもあまり人気が無かったようです。 (当時、私の周りにはフラッグマンを所有している人はいませんでした。 電子ゲームを扱った書籍の画面写真もなんとなくパッとしない感じでしたし) こんなに可愛いキャラクタ(個人的にはベストキャラクター賞を挙げたい)なのに正当な評価がされていないようで 悲しい思いがします。 また、「フラッグマン」はゲームにおいても特質すべき点が沢山あるのです。 それではゲーム内容の方を見てみましょう。 |
ゲームAですがフラッグマンと記憶力勝負をします。ゲームが始まると、フラッグマンは1〜4までの旗(又は足)を挙げます。
プレイヤーは制限時間内に数字に対応するボタンを押します。これだけなら非常に簡単なゲームなのですが、
フラッグマンが掲げる数字がクセ者です(笑)。最初は1つの数字だけですが、点数が上がるに従ってフラッグマンが掲げる数字(※1)も
増えていきます。プレイヤーはフラッグマンの掲げた数字を順番通りにボタンを押していかなくてはならないのです(^^;)。
(※1=「1」→「1,3」→「1,3,4」→「1,3,4,2」など1コずつ増えていきます。)
1点上がる度に1コ数字が増えていきますので単純計算で最高得点の99点=最高100コの数字を覚えなくては
ならなくなります(ちなみに99点を超えたらどうなるかは超人的な作業を必要とするので私には確認出来ません^^;)。これはもう大変です。
高得点になってくると、フラッグマンが出題するだけでもかなりの時間が掛かる事が予想されます。
(フラッグマンが全ての数字を挙げないとキーを入力出来ません)
ちなみに私は暗記が下手なので18点行くのがやっとです。制限時間は画面右側にブロックで表示されます。
数字1つで約5秒間の制限時間が与えられており、5つのブロックが約1秒間隔で消えていきます。
☆何事にも苦労してこそ努力が報われる!(ゲームA)☆ | ||||||
フラッグマンが掲げた数字を全て覚えろっ! | 全ての数字を順番通りに押して 初めて得点されるぞ! |
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もちろんボタンを押し間違えたり、制限時間が無くなったらミスです。 画面上部のデジタル数字のコロン左側の数字がミス出来る回数でミスする度に減っていき 3回ミスすると0になりゲームオーバーになります。 (数あるG&Wの中で3ミス制でミスマークが無いのはこれだけではないでしょうか) このゲームを突破出来れば、英単語もらくらく暗記・・出来るかも知れません(^^;)。 私的感想を言えば、数回プレイしただけで最高得点に達する事は無理と判断出来て しまうのでやる気が失せる可能性があります。初期のゲームなので仕方ありませんが 何か味付け(ミス帳消しやボーナス点など)が欲しかったと思います。 |
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ゲームBはゲームAとは全く異なります。 ゲームがスタートすると、フラッグマンの左に数字ブロックが出てきます。 プレイヤーはこの数字を制限時間内に押します。今度は暗記力では無く、早押しゲームとなっています。 フラッグマンは脇役に回り、プレイヤーの押した数字を掲げるだけです。 早押しで気になるのは、やっぱり制限時間ですね。 ゲームAでは暗記力を試す内容の為に比較的に余裕を持って制限時間が設定されていました。 しかし、ゲームBではとんでもなく早押しを要求されます。 もちろん点数が上がるにしたがって制限時間も短くなっていき、 60点以上でなんと約0.216秒!(制限時間ブロックが5つ消えるまで) 頭で考えてからではとても間に合わない時間設定です。 しかも数字ブロックは縦一列に並んでいる為に、対応するボタンの位置とは違います。 これが混乱の元になってゲームの熱中度アップに一役買っています。 実際、30点近くになるともう大パニック! ついつい間違ったキーを押してしまいます。手が痙攣(けいれん)しそうです(^^;;;)。 |
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☆これで知識さえ付けば「早押しクイズ大会」も安心?(ゲームB)☆ | ||
数字が出た!ボタンの押し間違いに 要注意! |
ゲーム中盤からは反射神経でボタンを 押さなくてはダメだ! |
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ゲームA同様、ボタンを押し間違えたり、制限時間内にボタンを押せないとミスになります。3ミスでゲームオーバーです。
どちらかと言うとゲームBの方が単純ながら熱中しやすいと思います。
この制限時間設定も少々キツめですが、人間キツければキツいほどハマってしまうものです。
最高得点は99点、頑張って最高得点を目指しましょう!
G&WでゲームAとBで内容が全く違う内容のゲームと言うだけでも珍しいのに、まだまだ面白い機能があります。
(他のゲームでも出来る事ですが)ゲーム終了後にフラッグマンを自由に動かす事が出来ます。
しかも同時キー入力で複数の数字を挙げる事も出来て結構遊べます。
さらに面白いのはゲーム終了後に何故か制限時間ブロックが表示されます。
実はこのブロック、約1分毎に消えていき、全て(5コ)消えると時刻表示になります。
時刻表示になるまでの時間を示しているなんて極めて異質だと思いませんか。
これにより、ゲーム終了後はそのままじゃなくても(ボタンを押してフラッグマンを動かしていても)
約5分経過すると強制的に時刻表示に移る事が確認出来ます。
サウンドについてですが、ミス音の他にフラッグマンが掲げた数字によって音が違うので賑やかな感じを受けます。
またゲームBでは同じ数字でも、数字ブロックの出た時の音とフラッグマンが掲げた時の音が違ったりと言った演出もあります。
最後にゲームについて、作業量的には他のゲームとそんなに変わらないのですが
内容が分かりやすい(1度プレイすれば分かる)為に飽きやすいと言った面もあります。
しかし、他のG&Wとは一味違ったこのゲーム、魅力的で無い訳がありません。
G&Wを集めるのなら是非とも手に入れたい一品である事は間違いないでしょう。
「フラッグマン」はG&Wで二作目にして初めて4ボタン搭載したゲームです。 ゲーム内容からかボタン表記が「数字だけ」と言うのもこのゲームだけです。 本体色はオレンジ(マルチスクリーン「ドンキーコング」は濃いオレンジな感じ)です。 電子ゲームの書籍等で見るとイマイチなカラーリングも実物見ると結構似合っています。 本体についてではありませんが、時計表示の時はゲームのデモンストレーションではなく、 決まった動作(数字を右回り<1→2→4→3→1・・>に掲げる)を行います。 また、ACLスイッチを押しても全てのパターンが表示されません。 (さすがに全てのパターンを表示してしまっては気持ち悪いです。^^;) ※「ゲーム&ウォッチ・シルバーシリーズ」については「ボール」「ファイア」「バーミン」を ご覧下さい。 |
フラッグマンは何者か疑問に思う事があるのですが、私は「海賊」だと思うんです。
よく見かける業務用の旗揚げゲームなんかのキャラクターは大抵「海賊」ですよね。
バンタナ(?)にシマシマの服・・大人気だった玩具「黒ひげ危機一発!」(※2)の海賊もこんな感じの服装だったような気がします。
海賊が手旗信号なんか使っていたのかもしれないから海賊を使った旗揚げゲームが登場したのかもしれません。
ちなみに弟は「妖精」だと言っています。真相は分かりませんが、可愛すぎるので色々な解釈が出ますね(笑)。
(※2=樽に海賊をセットして、樽にナイフを刺して海賊が飛び出したら負けのゲーム)
この「フラッグマン」、手に入れるまでゲームA・Bともに同じゲーム内容だと思っていました。
ただ単にフラッグマンの代わりに左側のブロックを使うだけだと思っていたら、実際は全然違っていました(^^;)。
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どんなゲームにも最高得点が設定されていますが、「フラッグマン」において最高得点に達するのは 非常に難しい!特にゲームBの後半のスピードと言ったら尋常じゃありません! 0.216秒ですよ! 考えて反応出来るスピードではありません。 ところが、この難関を見事クリアし、ゲームBで最高得点をマークした方がいるのです!!! この度、最高得点をマークしたmiko-man氏よりハイスコア画面の画像とコメントを頂きました!
皆さんもこの「憧れの画面」を見る為に日々努力して下さいっ! |
参考文献:フラッグマン取扱説明書(任天堂)
Special Thanks!:miko-man氏