バーミンの本体

バーミン(VERMIN)

任天堂/ゲーム&ウォッチ・ゴールドシリーズ/1980年頃
(C)1980 Nintendo

ゲーム性 ★★★★★ スピーティなゲーム展開で緊張の連続!
操作性 ★★★★ 操作良好!
キャラクタ(画面) ★★★ いささかキャラが不愛想な気がする
サウンド ★★★ 良くも悪くも無いテコテコ音
ハード ★★★★★ パーフェクトなボディです!
総合 ☆☆☆☆☆ ゲームしている時の集中度は並みでは無い!名作です!

■ゲーム解説:モグラ叩き・・新たなる展開!

バーミンの画面1



モグラ部隊:コイツらがいなきゃ始まらない
Theモグラ部隊
趣味:畑荒らし(多分)
嫌いなモノ:ハンマー(叩かれるから)      
 「モグラ叩き」はゲームセンターで定番とも言えるエレメカです。
モグラを叩く事による爽快感(=ストレス発散)が人気の理由で
現在でもキャラがワニになったりして、バリエーションが増え続けています。
(余談ですが、なんとストリートファイター2をモチーフにしたモグラ叩きが存在します。)
「バーミン」も一言で言ってしまえば「モグラ叩き」ゲームなんですが、
G&W初期シリーズ(シルバー)にはこういった前置きの無い、ただ「お手玉」「旗揚げ」と言った遊びを
単純に電子ゲーム化したものが多いのです。
まだ携帯ゲームのあり方を模索していた時期なのでしょう(単に慣れていないだけ?)。
「横井軍平ゲーム館」でも初期シリーズ制作に関する苦労話が伺えます。
しかし、このモグラ叩き、侮ってはいけません。当時、サラリーマンが電車の中などで気軽に遊べるゲームを
提供するのが目的のハズのG&Wなのにとんでもなく熱くなれるゲームだったのです。

 ゲームを始めると、4ヶ所の穴から(GAME Bでは中央の穴を含む5ヶ所)土が盛り上がってきます。
4パターン目にはいたずらモグラが出現しますので、モグラの上にハンマーが来るように
人形(説明書の表記)を移動させましょう。
正しく移動できれば、いたずらモグラ出現と同時にハンマーを振り降ろします。
いたずらモグラを1匹退治する毎に1点加算されます。
注意が必要なのは中央の穴からモグラが出てきた場合、必ず左右どちらかに
移動しなければならないと言う事です。他の場所では移動しなくても叩いてくれる場合
があるために中央でのミスが発生が高いのです。
GAME Aでは結構イケる人でもGAME Bで意外と序盤の方でミスしてしまうのは
この為です。モグラが1匹増えただけでこれほどゲーム性がアップするとは驚きです。

 このゲームにおいて、もう1つ特質すべき点は絶妙なゲーム展開にあります。
休まる時はあるものの、容赦無いモグラの攻撃・・・。
無駄な動きは出来ません。しかも、ミス帳消しシステムが無い為(ミス帳消しシステムはゴールドから)、
かなり過酷な展開を強いられるでしょう。
2〜3匹連続してモグラが出てきただけでもうヒヤヒヤ。高得点を達成する為にはニュータイプ的感覚が
必要です(笑)。
ゲームを終えた後、集中してしまっていた自分に驚くほど白熱しているのです。
最近のTVゲームには無い緊迫感がここにはあるような気がしてなりません。

 これはモグラを叩きながら進行するゲームですが、
当然叩き損ねるとミスになります。ミスになるといたずらモグラは再び土の中に潜っていき
憎ったらしいいたずらモグラの笑い顔が表示されてミスとなります。
初期シリーズでミスの表現がここまで凝っているとは驚きですが、ここに「落とし穴」が潜んでいるので要注意。
高得点にもなると鬼の様に沢山のモグラが攻撃を仕掛けてきます。
ミスになるとモグラの動きが停止してインターバルとなる訳ですが、ゲームへ復帰する際に次にどのモグラを叩くか
忘れると連続ミスの可能性があるからです(説明書にもしっかり書いてあります)。
この辺もゲームの難易度を上げていると言えばそれまでですが、ピリッ辛口の設定も良いものです。

バーミンの画面2:モグラの猛攻に大パニック!
バーミンの画面3:ポコッ!食らえぇ!  個人的感想を言えば、このバーミンがシルバーシリーズでは最もゲームらしく面白い作品です。
後期の成熟したゲームバランスの優しい難易度ではバーミンは成り立たないのです。
是非、「バーミン」をプレイしてみて下さい。
「モグラ叩き」にある爽快感(ストレス発散)は「バーミン」にはありませんが、連続した緊張感、
興奮の一時を味わう事が出来るでしょう。

■本体解説:時刻表示のデモの謎?

 「ゲーム&ウォッチ・シルバーシリーズ」については「ボール」「ファイア」をご覧下さい。
G&Wと言うと、時計機能。時計機能無くして「ゲーム&ウォッチ」は語れない(当たり前)・・・・・。
G&Wの時計機能においての特徴は、時刻表示中にゲームのデモンストレーションが行われると言う事ですが、
シルバーシリーズでは規則正しく動いていて(何となく)クォーツっぽい印象を受けます。
この「バーミン」も両端のモグラ叩くだけで決してミスをしません。

 又、ACLキーを押した直後の時刻設定時、全てのパターンが表示されません。
流石に制作者も画面内に人形の手がいっぱいになるのは気持ち悪いと思ったのでしょう。
シルバーシリーズでは時刻設定時に全パターンが表示されないゲームが多いのも特徴です。
(何か全然「本体解説」になってない。^^;;)
バーミンの画面4:時刻設定画面

■今でもプレイ出来る〜ゲームボーイ・ギャラリー2

 この「バーミン」、実は任天堂のゲームボーイ用ソフト「ゲームボーイ・ギャラリー2」に収録されているんです。
どうしても実機が手に入らなくて困っている方は、是非このソフトで遊んで緊張感を味わって下さい。
「ゲームボーイ・ギャラリー」シリーズは名作G&Wを多数収録していますので、全てプレイして極めればG&W通になれるかも
しれませんね(笑)。


参考文献:「横井軍平ゲーム館」/アスペクト刊

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