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「$FM命令-FBF用ファイルマネジャ」(あお氏作)が登場し、 やっとマトモに使えるようになった感のある「FX-Binary-Filer」(FBF)。 PBFロード機能が内蔵され、パソコンからのダウンロード作業が とても楽になりました。 |
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とは言え、機械語のプログラム開発には暴走が付き物。 暴走してメモリの内容がぶっ飛ぶ度にFBFシステムからインストールをやり直すのは非常に手間が掛かります。 そこで、FBF-BR.BASを利用してシステムのバックアップを取得すると共に、 一括インストールパッケージの雛形を利用して復元後に、$FM命令が起動するようにします。 |
1.FBFのインストール および 必要ファイルの登録 |
FBFをインストールし、以下のファイル及び必要ファイルをポケコンへダウンロードしてください。
最低限、以下のファイルがないと以後の手順が正しく動作しませんので、必ずダウンロードしてください。
その際、FBF上でのファイル名は「FBF登録ファイル名」に合わせてください。
名称 | パソコン側のファイル名 | FBF登録ファイル名 | 入手先 |
キーバッファ入力プログラム | KY.PBF | $KY.R | FBF Ver.4.0 に同梱 |
FBF用ファイルマネジャ | fm_RR.pbf | $FM.R | FBF特設サイトよりダウンロード |
2.FBFシステムのバックアップを取得する |
FBF Ver.4.0 に付属している 「FBF-BR.BAS」 を利用して、
FBFシステム全体のバックアップを取得します。その際、パソコン側のファイル名は何でも構いません。
記事中では「backup.fvl」として手順を進めます。
拡張子は「.fvl」(FBF-Volume-Backupの意味)にしてください。
バックアップが取得できたら、FBF-BR.BAS は不要ですので消去して構いません。
3.BASICプログラムを実行する |
ALL RESET後、サンプルに含まれるBASICプログラム(restore.bas)を実行すると、
backup.fvl のダウンロードを要求します。ダウンロード後、$FM命令が実行され、ファイル管理画面が表示されます。
BASICプログラムの”ポイント”については以下の通りです。
尚、1〜599行と60000行以降は FBF Ver.4.0同梱の 「SOFTINST-NOMAC.BAS」そのままです(40行〜50行を除く)。
590 ' YOUR PROGRAM 600- 600 IF PEEK&H16C9<>&HB5 THENPRINT"コノ プログラムハ P7 デ ジッコウシテクダサイ":BEEP:END 610 MODE110(BASE)$FM |
610行は単に$FM命令を実行しているだけなので説明は割愛しますが、ポイントは600行になります。
$FM命令の説明書をご覧頂くと分かりますが、起動部分は 必ず 「P7」 に入れておく必要があります。
機械語領域確保やPBFダウンロード後のファイル格納位置移動時に $FM命令が終了する際に、
再びメニュー画面に復帰するために P7 を実行しているためです。
この行では自身がP7にあるかどうかを確認しています。
システムエリアのNOWFLポインタ(&H16C9〜CA)を参照しています。
このポインタは、現在実行しているプログラムエリア格納場所を示すポインタ(P0STT〜P9STTのいずれか)のアドレスが
セットされています。
例えば、プログラムエリアを P0 にして、編集・実行している時は、
NOWFLは &H16C9=&HA7 , &H16CA=&H18 の値がセットされています。
(FX-870P/VX-4 はリトル・エンディアンでアドレスを下位・上位の順にセットする必要があります)
P0STT | 18A7〜A8 | P0 の格納先頭アドレス |
P1STT | 18A9〜AA | P1 の格納先頭アドレス |
P2STT | 18AB〜AC | P2 の格納先頭アドレス |
P3STT | 18AD〜AE | P3 の格納先頭アドレス |
P4STT | 18AF〜B0 | P4 の格納先頭アドレス |
P5STT | 18B1〜B2 | P5 の格納先頭アドレス |
P6STT | 18B3〜B4 | P6 の格納先頭アドレス |
P7STT | 18B5〜B6 | P7 の格納先頭アドレス |
P8STT | 18B7〜B8 | P8 の格納先頭アドレス |
P9STT | 18B9〜BA | P9 の格納先頭アドレス |
P0STT〜P9STTのアドレス上位部分は「18」で共通のため、下位部分で判定することにより、
現在実行しているプログラムエリアが特定できるというわけです。
4.アンインストール |
電子キーボード Juke-Box の例と同じく、RUN60020 [EXE] を実行すると、
FBFシステム及び登録したファイルを消去して、インストールする前の状態に戻すことができます。
5.最後に |
プログラムテクニック講座みたいになってしまいましたが(笑)、
一括インストールパッケージの利用は配布用パッケージに限ったことではありません。
このように日常のバックアップに利用することにより、メモリ初期化時に迅速に復旧する事が出来ます。
ただ、登録ファイルが増加すると、バックアップや復元時のダウンロード時に時間が掛かるので、
その間はお茶でも啜ってテレビでも観ながら暇つぶししてください(笑)。
参考文献:ポケコンジャーナル 1991年7月号「FX-870P解析詳細」(こたちゃん)
協力:あお氏