FX-870Pをはじめとする、3pin入出力端子を持つ CASIO製ポケコン用のRS232Cレベルコンバータです。 「Z-1/FX-890P活用研究」に掲載されたものより回路が単純で、 作成も比較的容易です。 もちろんソフトウェアフロー制御にも対応しています。 本RS232Cレベルコンバータは、山爺氏が考案/作成した物です。
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1.RS-232Cレベルコンバータとは |
RS-232Cレベルコンバータとは、パソコンとポケコンとのRS-232C信号レベル(電圧)を調整して、
互いに通信できるようにする物です。
これを利用することで、FX-870P/VX-4/VX-3(及びFX890P/Z-1/Z-GR)で作成したプログラムをパソコンに保存したり、
逆にパソコンからポケコンに転送する事ができます。
CASIOポケコンに実装されている3pin端子用のシリアルレベルコンバータは、
「ポケコンジャーナル(工学社)」および 「Z-1/FX-890P活用研究」に掲載された回路(STEAR氏が紹介している回路はその改良版)が
良く知られていますが、ここで紹介する物は、
より単純で工作しやすいのが特徴です。
2.回路の説明 |
左図がRS-232Cレベルコンバータの回路図です。 図の左側が、パソコンへ接続するRS232CのD-SUB 9Pinコネクタで、 右下にあるのがポケコン側の3Pinコネクタです。 D1、D2は「IS1588」等の小型のダイオードで良く、 ZD(ツェナーダイオード)は5V程度(4.5V〜5.5V)の物ならOKです。 トランジスタは「2SC828」など、小出力用のNPN型トランジスタなら大丈夫です。 「Z-1/FX-890P活用研究」に掲載されたものは負電圧をGNDに ダイオードクランプしますが、 これは ベースに正方向にダイオードを入れています。 送信側は簡単にコレクタ抵抗で信号を反転しただけです。 (掲載されたものはトーテムポールというのか、プッシュプルになっています。) 作成する場合は、それぞれの部品を以下のピン配置図を参考に (必要ならユニバーサル基板等に)配線して下さい。 |
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部品一覧
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3.制作例(By 山爺氏) |
9P コネクターのピンとピッチは少し違いますが、 5列側のピンリード とパターンを密着させ隙に半田を流し込み半田付けします。 基板が1.6mmだと厚すぎるのでピンの長さ部分は基板を薄く削ります。 |
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裏側4列はジャンパーだけです。 どうしても実装不可能部品は半田面 に付けても良いです。 いずれにしてもケースに当たらないように実装 します。 3Pリードの位置を反9P側になるように配置します。 トランジスタは両端リードを根もとから下に曲げて、 コレクターリードは長めにして斜めに振ってから下に曲げます。 L字の3つの孔に差し ます。Tr本体は寝かせて基板に密着させます。 抵抗やダイオードのリードは無理矢理差せば 1つの孔に3本までは入るので斜めにしたり、 部品が空中でクロスしてでもケースに当たらない様に実装します。 コネクターピンのジャンパーと基板の必要なジャンパーをして、 3Pケーブルをダイオードや抵抗のパターンに半田付けして完了です。 |
本RS232Cレベルコンバータは、山爺氏が考案/作成した物で、
記事は、山爺氏・あお氏より、ご寄稿して頂きました。ご協力誠にありがとうございました。