スペース・ディフェンダー(SPACE DEFENDER)エポック社/デジコム・シリーズ/1982年頃
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『宇宙歴2XX1年・・・宇宙防衛軍「スペースディフェンダー」の勇士は宇宙の平和を守るために、 巡航戦闘艦「スペースファイター」で、敵帝国軍惑星都市めざして旅立った。 このゲームは、惑星上空での戦いから、敵惑星を破壊するまでの迫力あるスペースドラマである。』 これは説明書に書かれているゲームストーリーなのですが、ゲームを「ドラマ」と言い張る程に このゲームでは敵の名前・肩書きやステージ(ゲームパターン)構成設定などが細かく設定されています。 当時のゲームでここまで設定が凝っているのも珍しいと思います。 エポックの後期の電子ゲームには設定が凝っているものが多いようです。 こういった設定はがっしりとした本体やジョイスティックレバーなどと共に、 プレイヤーが感情移入するのを助けるのに一役買っています。 |
「スペースディフェンダー」はゲームとしても素晴らしく、豊富なキャラやステージが用意されています。 ステージは全部で5つありますので、電子ゲームとしては申し分無いと言えるでしょう。 しかも、ステージ毎に敵の動きやクリア条件が違うなど、こだわりが感じられます。 電源を入れると(エポックお得意の?)ファンファーレが鳴って、ゲームレベルセレクト&デモ画面が表示されます。 ここで、このゲームがどの様なステージ構成をしているか見る事が出来るのですが、最終ステージだけは 表示されません。また画面写真では伝えにくいのが残念ですが、1キャラ2色使用しているせいか画面がかなり 鮮やかな印象を受けます。 ゲームレベルはスペースファイターの数、敵の移動スピード、エネルギー制の有無など4つあります。 それぞれ「宇宙防衛軍入隊(レベル1)」「宇宙防衛軍上級(レベル2)」「宇宙防衛軍実践(レベル3)」 「宇宙防衛軍戦士(レベル4)」とレベル名まで付けられているのには感服します(笑)。 それでは各キャラクターから紹介しましょう。尚、スペースファイターには2つの武器が搭載されており、 ミサイルとボム(爆弾投下)があります。いずれも単発仕様です。 |
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帝国軍データファイル(宇宙防衛軍極秘資料) |
敵キャラ | ||||||
名称 | 帝国軍主力戦闘機 「コマンダー」 |
帝国軍支援母艦 「シーカー」 |
帝国軍追撃戦車 「アーマー」 |
帝国軍 「エネルギー基地」 |
帝国軍モンスター 「デストロイヤー」 |
「電磁雲」 |
対応武器 | ミサイル | ミサイル | ボム | ボム | ミサイル | 破壊不能 |
上記のキャラクターで「シーカー」と「デストロイヤー」は同じキャラを使っていますが、単なる「水増し」ではなく、
前者は「コマンダー」を発進させる(産む)、後者は上下に移動してミサイルを発射するという役割の違いがあります。
又、「コマンダー」はステージによって編隊攻撃・ジグザグ攻撃・ストレート攻撃など様々な攻撃をします(凝ってる!)。
「エネルギー制有り」のゲームレベル(3,4)にした場合は定期的に「エネルギー基地」を破壊しないと燃料切れでミスとなります。注意しましょう。
次にステージ構成を紹介します。このゲームで特筆すべき点はゲームオーバーになっても続きが出来る「コンティニュー機能」が
搭載されていると言う点です。ゲームオーバー後5秒間以内にゲームスタートキーを押すと、ゲームオーバーになったステージから再開する
のですが、当時の電子ゲームはもちろん業務用でもあまりありませんでした(業務用ではアイレムの「ムーンパトロール」くらいでしょうか?)。
当時の私はこの現象に驚きました。
”スペースドラマ”スペースファイター戦闘記録(宇宙防衛軍記録) |
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ここまで読んでかなりゲームパターンが多彩である事が分かると思うのですが、ゲームサウンドについても同様で
比較的明るめな音が用意されています。しかも(メーカー意図したか分かりませんが)本体が空洞の為に、サウンドが響いてステレオっぽい感じに
なっています。私はステージクリア音が素晴らしいと思うのですが、皆さんはどうでしょうか?
「スペースディフェンダー」、はっきり言って、現在でも十分遊べるゲームです。手に入る機会がありましたら、是非ゲットしてプレイしましょう。
当時でも結構評判が良かったようですから(少なくても私の周りでは)、プレイされた方も多いのではないでしょうか?
がっしりとした本体にジョイスティック装備、ボタンのレイアウトも良くて、伝統工芸品の様にこだわりを感じさせる出来です。
FL(蛍光管表示)方式でセロファン使用などにより、1キャラ2色を実現しています。
又、スクリーンの中に背景が仕込まれており、より一層臨場感が増しています。スクリーンは拡大レンズにより、迫力のある画面が楽しめます。
このゲームで1つ惜しいと思う点があります。それはボタンの操作性です。ボタンが少々押しにくいのと、ミサイルとボムが単発なのも影響して
弾が出にくい様な感じがあるからです。ゲーム内容が素晴らしいだけに非常に惜しいと思いました・・とは言っても「ドラキュラハウス」の様に
異常に重い操作性と言うわけではないのですが・・。
皆さんは、FL(蛍光表示管)を知っていますか?
たぶん、知らないと言う人でもお店の電子レジスターや電卓などで薄青い光の様な表示板を見た事があると思います。
これがFL表示なのです。FL表示は夜の飲食街にあるネオンライトの様にカラフルで明るいもので、夜にプレイするのに適していました。
上の画面写真でも光っているのが分かるでしょうか。
小さい頃に押し入れに入ってプレイしたり、布団の中でプレイした方もいらっしゃると思います。
ただ、弱点としては構造が複雑な為に高価になるのと電池を激しく消耗するという事でしょうか?
でも、そんな弱点を打ち砕く程、魅力的のあるゲームが昔には沢山ありました。
スペースディフェンダーにも言える事ですが、電池の消耗が激しいのでACアダプターを使用できます。
当時このゲームを見て、かなりショックを受けました。
この頃の私は任天堂・バンダイ・エポック製のLCDゲーム機しか持っていなかった為に
せいぜい2パターン程しかゲームがありませんでした。
ところがこのゲームでは5パターンもあり、音楽も印象深くすぐにハマリました。
初期残機も多く、レベル1では難易度も低いので少し頑張れば最高得点を達することが出来たのも気に入っている点の1つです。
1ループクリアした時のデモがエイリアンを打ち負かした感じがしてとても良かったです。