ペンゴ(Pengo)[FL版]バンダイ/1983年頃
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ペンゴ(Pengo)[LCD版]バンダイ/LCDゲームデジタル・シリーズ/1983年頃
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昔は良かった・・・、1980年代前半には様々な面白いアイデアを持った面白い業務用ゲーム が登場しました。「ドンキーコング」「パックマン」や「スクランブル」「フロッガー」「ギャラガ」等、 数え始めるとキリが無いくらいです。「ペンゴ」もその内の1つで難しいながらも新鮮味のある内容で 人気を博していたゲームでした(セガ発売で、制作は「青春スキャンダル」のコアランド[現パンプレスト] だそうです)。 業務用は迷路状に配置された氷を敵であるスノービーにぶつけて倒し、全滅させればステージクリア と言うモノでした。このゲームは人気のあったので、電子ゲームに移植されたのは当然と言えるでしょう。 電子ゲーム版ではバンダイからFL版とLCD版が発売されました。 FL版のゲーム内容ですが、業務用に忠実に移植しています。 ゲームが始めると氷が適当に配置されます。ペンゴを動かしてスノービー(敵)を避けながら、 氷を当てて倒します。 ジョイスティックを倒しながら、ATTACKキーを押す事で氷を滑らせる事が出来ます。 氷は1つまでしか滑らす事が出来ません。氷が2つ並んでいる時やフィールドの端にある氷に対して この操作をすると、手前の氷が壊れます。活路を切り開く時に使いましょう。 氷は滑らせただけでは壊れませんが、スノービーが氷を壊す事があるので注意しましょう。 又、壁に向かってATTACKキーを押すと、壁を揺すって(壁に接している)スノービーを一定時間 痺れさせる事が出来ます。 スノービーを全部倒した時、氷を全て壊した時、スノービーが残り1匹になって しばらく時間が経過した時にステージクリアとなります。実はここまで話した内容は、 業務用のルールと同じなんです。電子ゲームなのに頑張ってますね。 さすがバンダイ、作り慣れています。 |
画面内の点滅しているブロックは、「スーパーブロック」(業務用で言う「ダイアモンド・ブロック」)です。 これを最上段(又は最下段)の中央に3つ並べるとボーナスとして1,000点加算されます。 もちろん、この要素も業務用にはありました。 さらに凄いのは業務用では2面クリア後にペンギン達がダンスをするデモ(コーヒーブレイク) がありました。実はFL版でも2面クリア後に、ペンギンが行進するデモがあるのです! しかもFL版のゲームオーバー音は業務用のミス音を再現しているではありませんか! ゲーム単品で見ても結構面白いのに、業務用と比較するとかなりの要素が移植されており 感服します。業務用の名に恥じないFL「ペンゴ」の姿がそこにあったのです・・。 |
さて、LCD版ペンゴはどうでしょうか? LCD版は業務用を意識したFL版とは違い、多少アレンジした内容になっています。 画面中央にスノービーが現れます。スノービーに捕まらない様に画面中央のマス目(?)の外周を回りながら、 仲間から投げた氷を滑らせてスノービーを倒します。 氷はペンゴがマス目の側面に居る時にATTACKキーで滑らせる事が出来ます。 一度にまとめてスノービーを倒すと高得点になります(業務用、FL版にも同じ要素があります)。 FL版と同様に氷は滑らせただけでは壊れません。又、氷はマス目の側面しか滑らせる事が出来ませんが、 スノービーの(ペンゴに対しての)当たり判定はマス目の全ての外周に対して発生していますので注意が必要です。 |
得点が1,000点毎に達するとボーナスゲームになります。 画面下にダイアモンドブロックが現れて、ペンゴが上段から氷を滑らせて当てるとボーナスが入ります。 LCD版ペンゴは、業務用の「氷をぶつけて敵を倒す爽快感」だけをクローズアップしているように思えます。 確かにスノービーまとめて倒すと、それなりの爽快感があります。しかし、それ以上に不快に思うのはレバーの 操作性です。機敏な操作を要求される割には側面から上下段(又はその逆)へ移動しづらい事、右写真の様に 3匹並んでウロウロしてしまうと仲間が投げた氷がすぐに消されてしまう事です。この辺は改良出来ただけに惜しいと 思います。 ゲーム中に流れるメロディですが、FL版とは対照的に暗め(と言うか一種の呆気なさ)な感じがします。 キャラクタが良いだけに、この点も惜しい感じがします。 個人的な感想を言うと、やはりFL版の方が1枚上手だと思いました。FL版に比べるとLCD版は業務用を 移植しようという頑張りが見えないからです。FL版とLCD版のゲーム内容が違うのは、 同じだと1人がLCD版とFL版を買う必要が無いと言う事でしょうか? もしLCD版とFL版が同じ内容だったら、キャラクタが可愛い分LCD版が良かったりして・・と思うのは私だけでしょうか? |
上記の通り、業務用を意識した作りのFL版ですが、本体のデザインにこだわりを感じられません。
大きめでがっしりしてプレイ中に動く事が無い本体、レンズ使用で大きめな画面や画面内に仕込まれた背景等、良い部分はたくさんあるのですが、
白いボディに青で書かれた文字だけと言うデザインのせいもあって「フリスキートム」の時と比べて安っぽい感じがするのです。
この辺は非常に惜しいと思いました。
FL版と同期に出ていた電子ゲームは他に「FLザクソン」「FLバーガータイム」「FLツタンカーム」があります。
(この辺の情報は私もよく知りませんので、詳しい情報を頂ければ幸いです。)
※バンダイはFL、LEDゲームの箱には「LSI POTABLE GAME」と書かれていますが、
本体にその表示が無い為にシリーズ名は省略しました。
LCD版も安っぽい感じがします。その理由として、従来のゲームデジタル標準であった「TIME/GAME」キーが無くなり、
ATTACKキーで代用する事になったと言う事があります。これによりボタンの数は減りましたが、ゲームが中断が出来なくなってしまいました。
また、人気キャラクタを扱ったゲームデジタルではキャラクタの絵の上にはプラスチックで覆われていましたが、
これは本体にシールが貼ってあるだけです。これでは時が経つと色褪せてしまいます。同じ本体のゲームとして「バーガータイム」があります。