パックマン(PUCK MAN)トミー/1981年頃
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1980年に登場した「パックマン」(ナムコ)は、爆発的大ヒットとなり、同社の代表的作品となりました。
食べかけのピザから考案されたとされるパックマンや色とりどりで性格付けされているモンスターや、
迷路上に散りばめられたエサをいかに効率良く食べるか、パワーエサによる逆襲など、
既にあるドットイート型のゲームながらも独自性が高かった事が主な要因でしょう。
(今でもナムコが往年の名作ゲームを各TVゲーム機に移植しまくっているので、
あまり懐かしいと言う感じを受けないのが玉にキズなんですが
^^;;;)
当然、これだけの大ヒット作品ですから、当時のTVゲーム機・パソコン・電子ゲーム機に同タイプのゲームが沢山登場しました。
ただ、似たようなゲーム内容なのにキャラクタが違ったり、名前が微妙に違ったりして、「パックマン」と言う名前のゲームは
意外に少なかったのです(おそらくライセンス絡みの問題だと思いますが)。
特にゲーム名に至っては「パクパクモンスター」「パックモンスター」等、どれも似たり寄ったりでややこしい事この上無いが笑えます。
(「スーパーバグゴン(コムパック/パソコンテレビX1用)」はちょっとヒドすぎると思いますが ^^;)
電波新聞社は1983年頃から各パソコンにナムコゲームの移植版を発売していましたが、
電子ゲームでもトミーがちゃんとナムコからライセンスを受けて「パックマン」を発売していました。
やはり似たような名前のゲームより、実績ある「パックマン」と言う名前のゲームの方が安心できます。
電子ゲームでも同タイプのゲームが沢山出ていますので、まさにトミーの直球勝負と言うところでしょう。
気になるパックマンゲームの出来の方はどうでしょうか?
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本体のパワースイッチをONにすると業務用と同じメロディが流れてゲームスタートです! アクションキーを使ってパックマンを移動させます。 ルールは業務用と同じくモンスターを避けながらエサを全て食べれば1パターンクリアなんですが、 パックマンは左を向いているので後ろ向きでは(右に移動しては)エサを食べられません。 ここが業務用と最も違う点です。おそらくキャラクター(パックマンらしさ)を重視した事による代償でしょう。 パターンが重なる事が許されない電子ゲームの悲しい宿命とも言えます。 エサがワープゾーン近くにあったり、迷路が面白い形をしていたりして結構食べにくいです(^^;)。 |
モンスターは業務用と同じく、迷路中央の「住処(すみか)」から出てきます。ゲームレベルがAMAだと2匹、PROだと3匹登場します。
(ただしAMAでも4面から3匹になります)。
住処で点滅しているモンスターは待機中で、しばらくすると出てきます。
もちろんモンスターに食べられてしまうとミスになりますが、表現の関係上、隣り合わせになるとミスとなるので注意して下さい。
このモンスター、パックマンが止まっていると同じような所を行ったり来たりしているので、
もしかしたらパックマンの動きに合わせて動いているのかもしれません。
業務用にあった「性格付け」は残念ながら、電子ゲーム版には無い様です。
業務用でもそうですが、モンスターもワープトンネルを使用するので注意して下さい。
パワーエサを食べるとモンスターに逆襲出来るチャンス! モンスターは逃げ出しますので追いかけて食べましょう。 連続してモンスターを食べると100点・200点・400点と得点が加算されます。 ただしモンスターが点滅し始めたら要注意!しばらくすると元に戻ってしまいます。 食べられたモンスターはパワーエサの効力が切れるまで住処で待機します。 全てのエサを食べるとパックマンが点滅して1パターンクリア。 この演出も業務用を意識していますね。面クリア後のコーヒーブレイクはありませんが、 5面クリアするとお誉めのメッセージ("Good")が表示されます。 あと、業務用にあったフルーツは電子ゲーム版でも登場しますので、 出現したらすぐに食べにいきましょう! |
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業務用のテンポの良さは電子ゲーム版にはありませんが、
上記の通り、制限の多い電子ゲームで業務用を再現しようとする意気込みがヒシヒシ感じられます。
ただ、移動速度が遅い(これが操作性の悪さにつながる)事やエサが食べにくい事が
ゲームをマイナスにしている残念な点です。同じ系統の液晶ゲーム「パクパクマン」の方が面白いと感ぜざるを得ません。
しかし、こだわりのトミー、可愛いキャラクタをどうしても外せなかった・・・この「こだわり」に共感を覚えてしまうのでした。
「こだわり」の名機、是非手に入れて堪能してください。
見て分かる通り、この丸いボディ!!電子ゲームの個性は全てこの「パックマン」に集約されていると
言ったらちょっと過言かもしれませんが、それくらいこの機種は個性的なのです。
電子ゲームはどちらかと言うと業務用筐体に近いデザインのものが多いのですが、このパックマン型ボディ!!
誰でも一度は見た事があるのではないかと思います。
プレミアショップで販売金額が高額に設定されているのも、無理も無いと思います。
さて「パックマン」の操作部分ですが、パワースイッチ・ゲームセレクター(AMA/PRO)・アクションキーのみでゲームスタートのキーはありません。
パワースイッチをONにするとゲームがスタートします。
この機種はFL方式と言う事もあり、ACアダプターが使用可能となっています。
なんと「パックマンゲーム専用アダプター」が用意されていたのでした!この意気込み!凄いですね!
又、ロゴが「PUCK MAN」(後に「PAC MAN」に変更)なのも見逃せません。
参考文献:「消えた蛍光表示管(松本裕之氏/花華留多刊)