ドンキーコングJr.の本体

ドンキーコングJr.(DONKEY KONG Jr.)

任天堂/ゲーム&ウォッチ・ニューワイドシリーズ/1982年頃
(C)1982 Nintendo

ゲーム性 ★★★★★ 狭い画面の割には自由度があり、向上心が沸く難易度
操作性 ★★★ 十字キーが少し使いづらく、誤操作で転落する事がある
キャラクタ(画面) ★★★★★ キャラも活きているし、画面を有効に使っている
サウンド ★★★ 点数が入る音は気持ちが良い
ハード ★★★★ 緑メタリックも良い
総合 ☆☆☆☆ はっきり言ってかなり面白い!

■ゲーム解説:前作を超えた?テンポ・リズムのある能動的なゲーム内容!

大変だ!パパがさらわれた!
助けにいかなきゃ!
パパがピンチ!ジュニアよ!早くパパを助けるんだ!
マリオが本作で悪役を演じていた事は、
誰でも知っている有名すぎるエピソードです。
 任天堂の看板キャラクター・マリオ。もう知らない人はいないと言う程の知名度ですが、
任天堂を支えたキャラクターで「ドンキーコング」を忘れてはいけません。
え?ディクシー&ディディ?(スーパードンキーコング) OH!NO!!
マリオの恋人(?)のレディをさらって工事中のビルにたてこもって樽を投げまくったあの欲情ゴリラの事です。
20代後半の世代の方には思い出深いゲームだと思います。
「ドンキーコング」が登場した当初、世の中のゲームの表現力はまだ貧素なものでした。
単色キャラ全盛期の頃に登場したカラフルなゲーム画面。
きめ細かな動きと愛くるしさまで見え隠れする(?)ドンキーコングなどのキャラクター達。
当時の子供達を釘付けにするのに十分すぎるほどでした。
(信じられない話ですが、書籍「新・電子立国4巻(NHK出版)」内の開発者の宮本 茂さんへの
インタビューによると、ドンキーコングはマリオのペットでマリオを茶化すつもりでレディをさらった!!
と言う設定で開発が始まったらしいのです・・。本当に信じられませんが(笑)。)
そして当然の如く、業務用で続編が登場しました。
それが「ドンキーコングJr.」です。マリオに捕まったドンキーコングを
息子のJr.コングが救うというドンキーコング2部作の完結編です。
ツタに捕まったり、リフトに飛び移ったりと前作同様バリエーションある全4面。
このゲームもまた、名作と呼ばれるようになったのでした。
(個人的には「同3」や他のドンキーコングのゲームは、シリーズとは認めたくありません。
何故「3」があの様な内容になってしまったのか残念でなりません・・)
この業務用人気ゲームをアレンジして小型化したのがゲーム&ウォッチ(G&W)・
ニューワイド「ドンキーコングJr.」です。
G&Wでは「ドンキーコング」が2画面で非常に好評を博しました。
しかし、この機種では1画面・・・。どのような内容になっているのでしょうか。
鳥やワナ(スナップジョー)を避け、
ジュニアはパパの元に向かいます。
自分の危険を省みず、パパの所へ向かうジュニア・・・(涙)。
ツタばかり頼っちゃダメだ!
ツタばかり頼りすぎると、鳥に突っつかれるぞ!
一定時間すると、勝手に降りてしまうぞ!
業務用より快感(?!)のフルーツ攻撃!
フルーツを落として高得点だ!
これで敵を一網打尽だぁ!
 ゲームが始まると画面左下にジュニアが登場します。マリオが放ったスナップジョー(ワナ)は
ジュニアに襲いかかってきますので[JUMP]ボタンを押して、ジャンプするかツタに捕まって避けましょう。
スナップジョーを飛び越えると1点加算されます(ジュニアがツタに捕まっている間に
スナップジョーが下を通過しても得点になりません。)
ジュニアはツタを伝って移動できる(ダジャレになってる^^;;)ほか、[↓]を押すか、[←][→]でツタの
無い所に移動すればツタから降りる事が出来ます。
これは業務用と同じ要素なのですが、G&Wにしては随分自由度がありますよね。
下段だけでもかなり画面を縦横無尽に動き回っている感じがしてきます。
ツタに捕まっていれば安心?!。そうは問屋が降ろしません(苦笑)。
なんと鳥が飛んできてジュニアを突こうとするのです!これで突かれたらタマリません。(笑)
こういう時は素直にツタを降りて避けましょう。
しかも、恐ろしい事にジュニアは約10秒間(ゲームBでは5秒間)ツタに捕まり続けていると、
手がシビレて降りてしまうのです!「野生のクセして!」と怒りたい気持ちも分かりますが、
やはりそこはジュニア。まだ未熟なので許してあげましょう。(^^;
無事に画面右端に辿り着いたら、[↑]キーを押してツタに捕まり上段に移動しましょう。
(上がりきった位置はジャンプが出来ない危険地帯なので注意が必要です。)
業務用にはフルーツを落として敵に当てる攻撃要素がありましたが、電子ゲーム版にも存在します。
フルーツをジャンプして落として、日頃苦しめられているスナップジョーや鳥をギャフンと
言わせてあげましょう。上のスナップジョーに当てると3点、鳥に当てると5点、
下のスナップジョーに当てると9点と加算されていき、気分爽快です。
いよいよですが、画面左上にカギが動いているのでタイミングを見計らって[←]と[JUMP]ボタンを
同時に押して飛びつきましょう!うまく飛びつくとドンキーコングが閉じ込められているオリのカギを
1つずつ外す事が出来ます(最初から飛びつくまでの時間によって5点から20点加算されます)。
カギの手前で[←]だけ押してしまうと飛び降りてしまうので注意が必要です。
無事、4回繰り返すと、ドンキーコングがオリから解き放たれ、ハッピーエンド!(ボーナス20点加算されます)
・・・と言うのも束の間(笑)、閉じ込められて再スタートとなります。
「タートルブリッジ」から始まった「チャンスタイム」制はこのゲームでも健在で、ミスせずに
300点に達するとファンファーレが鳴って、以後ミスするまで得点の加算が2倍になります。
(その間、スコア表示が点滅します)最高得点は999点です。
 このゲーム、1画面しか無いワリに従来とは比にならないほど画面の中を縦横無尽に動き回っています。
まず、このゲームはG&Wにしては難易度が高いのが特質すべきところです。比較的早い段階でゲーム全体の
スピードが上がる他、スナップジョーが連続で登場するようになるなど余談を許しません。
特に連なったスナップジョーを飛び越えるのはとても至難な技です(不可能では無い)。
このゲームの最大の得点源はなんと言っても、カギに飛びついた時の得点ですので、
隙があったらすぐにでも移動して飛びつくように心がけましょう。無駄な動きは許されないワケです。
また、チャンスタイムは最高得点には欠かせません。
最高得点に達するにはノーミスで700点以上得点出来ないと難しいと思います。
チャンスタイムのファンファーレが鳴っている時やフルーツを敵に当てた時にボタンを連打して、
少しでも早く移動したり、ジュニアの滞空時間も考慮して早めに飛びつくテクニックも
マスターしなければなりません。(先を急ぎすぎるとうっかり飛び降りてしまいますので注意しましょう。)
これらの事はユーザーを刺激して非常に面白くしています。
「G&Wは難易度が低くてつまらない」と言った方もプレイしてみる価値はあると思います。
キーを同時に押す作業も電子ゲームでは珍しい事です。
実際には不評だったのかもしれませんが、これを「新要素」と考えても良いのではないのでしょうか。
これにより、ハラハラ感が増す結果となっているのです。

 比較的出回っている機種の為にレア価値は無いかもしれません。
純粋に遊んで楽しいゲーム、それが「ドンキーコングJr.」なのです。
電子ゲームを集めている方は是非、この機種を体験して頂きたいものです。
「スナップジョー2段越え」は
このゲームの究極の奥義だ!
スナップジョー2段越えをマスターすれば、キミはこのゲームの覇者となる!(意味不明)
☆親子の愛を感じるゲーム「ドンキーコングJr.」のゲームの流れ☆
よく分かる「ドンキーコングJr.」のゲームの流れ

■本体解説:緑メタリックがいかにもJr.!

1画面ですが、面白さが凝縮されているのです・・。
たとえ1画面でも面白いものは面白いのだ!

 「ゲームウォッチ・ニューワイド」は、マルチスクリーン発売中に廉価版G&Wとして
4800円で発売されました。以前のワイドスクリーンとの違いは、カラーリングの他に若干の厚みを増し、
使用電池がLR44になった事くらいです。
特にカラーリングは従来の金色の部分が光沢の緑色になり、ドンキーコングらしいと言えます。
ドンキーコングJr.の他に「マンホール」「マリオズ・セメントファクトリー」が発売されました。

ただ、本体や箱に「ニュー・ワイドスクリーン」の記述が無いのが気になりますね・・・。

 最後にどうしようも無い裏技ですが、時刻表示中にTIMEキーを押しっぱなしにしていると、
カギの動きが止まります。また、この状態でジュニアがフルーツを落とそうとすると、
(フルーツが落ちずに)ジュニアがアップダウンを繰り返します。


戻る