ゴルフコンペ(GOLF COMPE)バンダイ/1979年頃
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コンピュータゲームにおいて、スポーツゲームは定番的存在で 野球・ゴルフ・サッカーなどの人気スポーツを題材とした数々のゲームが発売されました。 電子ゲームでもスポーツゲームは安定した人気があったのでしょう、 各メーカーが比較的黎明期にそれなりのラインナップを揃えていました。 電子ゲームでは野球ゲームに比べれば、ゴルフゲームは表現方法が難しいらしく (各ホールの特徴付けや打ったボールの表現など)それほど発売されていません。 電子ゲームのゴルフゲームはTVゲームと比べて比較にならない程、 限られたパターンをいかに有効利用してゴルフっぽく見せる事が重要なポイントに なっていたと思います。 この「ゴルフコンペ」もバンダイの比較的初期の作品なので、現在のゴルフゲームとは 比較にならない程単純ですが、表現方法が乏しかった当時にしては一応ゴルフっぽく 見えています(笑)。 さて、ゲーム内容ですが、「プレイヤーAB切り替えスイッチ」を[A」にして 電源を入れます。そして本体左側の「スタートボタン」を押すとゲームスタートです。 ゲームスタートした時にデジタル表示に出てくる「14」等の数字は左の数字がホール番号、 右の数字がパー(規定打数)を表しています(14の場合は1ホール目、パー4)。 ボールがティーグラウンドにありますがゴルファーの姿は見えません。 気にせずにゴルフボール型の「ジョットボタン」を適当に押してボールを進めていきます(笑)。 実はこの「適当に」と言うのがミソで、ボタンを押した長さによってにボールの飛距離が 決まるのですが、ボタンの押す時間と飛距離の関係が全く分かりません。 同じように押したつもりでも全然飛ばない時が良くあります。 ゴルファーの調子までシミュレーションしているのでしょうか?(笑)。 ただしボタンを押しすぎると、空振りとなり1打追加となってしまうので注意しましょう。 ゴルフ特有のOBや池・バンカー等の障害は、当然の事ながら このゴルフコンペにもあります。コースの特徴は以下の様になっています。 (左上の写真を見れば一目瞭然ですけど ^^;) |
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バンダイ・カントリークラブ(勝手に命名)のコースご案内 | ||||
OB | 池 | バンカー | グリーン | Sスタート |
OBゾーンでボールが止まると OB(アウト・オブ・バンズ)と なり1打追加されて ティーグラウンドに戻される。 |
池ゾーンでボールが止まると ウォーターハザードとなり、 1打追加されて手前に 戻される。 |
バンカーにはまると 池同様、何故か1打追加 されて手前に戻される。 |
グリーンに入ると緊張の パッティング。ちょうど良くボールが カップの上に止まる様に打たないと 跳ね返されるゾ(笑)。 |
4、8ホールはショートコース となっていてここが ティーグラウンドになる。 ホールインワンのチャンスだ! |
実はこれらの事は、説明書の「知って楽しいゴルフ用語」でゴルフ用語と共に詳しく説明されているんですね。
こんなの読んだ所でゴルフ通にはなりませんが、面白い趣向だと思います。
私のプレイ経験上では、調子が悪いのか連続でバンカーにハマってしまう事がよくあります。またもやゴルファーの心理を再現したもの
なんでしょうか?(笑) パッティングに関しては、双六っぽい感じを受けるのですが、プレイしているウチにちゃんとゴルフに見えてくるから
不思議です(笑)。ボールがカップの手前にある場合はショットボタンを軽く押せば良いのですが、ボール1つ以上離れていると
ショットボタンの微妙な押し加減が要求されるので練習しましょう(この辺ってゴルフっぽいですよね)。
ボールがカップインすると1ホール終了。スタートボタンを押して次のホールへ進めて下さい。
尚、スコアキーを押すといつでも合計打数を見る事が出来ます。
スポーツゲームには定番の2人用プレイはゴルフコンペにもあります。まず、「プレイヤーAB切り替えスイッチ」を「A」にして、
スタートボタンを押して1人目(Aの打者)がプレイします。1人目がカップインしたら("ピーヒャララー"の音の後)、
プレイヤーAB切り替えスイッチを「B」にして2人目(Bの打者)がプレイしていくといった方法でゲームを進行させます。
実はただ単にスコアをAB別々に管理しているだけなので、1人目が9ホールまでプレイしてからプレイヤー切り替えしても可能です。
プレイヤー切り替えスイッチを「A」にして スタートボタンを押してから 1人目(Aの打者)がプレイ |
1人目がカップインしたら、 プレイヤー切り替えスイッチを「B」にして スタートボタンを押して2人目がプレイ |
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→ | → | 以後、 9ホールまで 繰り返し |
実はゴルフコンペにはスコアに関してのウラ技(?)があって、パー36なので通常のプレイではこの辺のスコアに落ち着くのですが、
わざとスコアを増やす様に打っていると99打の次は「A0」になり、「B0」「C0」と進んでいきます。
しまいには「0」打に戻ってしまって9ホール終わって「トータル1」と言うミラクルな現象を発生させる事も可能な訳なんですが、
そこまでしても何の価値も無いので遊び気分でチャレンジしてみましょう(^^;)。
このゲーム、何だか双六っぽいのですが、ゴルフボール式のボタンやゴルフのルールが重なって、
それなりに見せているのはさすがです。よくよく考えてみるとゴルフゲームって双六の延長上にあって、それをストレートに表現したのが
「ゴルフコンペ」かもしれません。黎明期ならではのゲームが楽しめると思いますので是非プレイしてみてください。
この「ゴルフコンペ」のシリーズは、バンダイでも比較的初期のシリーズで、
他に「ミサイルベーダー」「サブマリン」「チャンピオンレーサー」「コンバット」があります。中でも「ミサイルベーダー」は大ヒットと飛ばした様で
名称も「ミサイルインベーダー」から「ミサイルベーダー」に変わったと言う逸話があります。
しかし、特殊コントローラー(と言っても「ゴルフボール型ボタン」ですが)を装備しているのは、「ゴルフコンペ」だけなので
シリーズ中では異色の存在だったかもしれません。又、ゴルフボール型のLED表示は発光ダイオードの光を妨げる(透過性の低い)フィルムに
ゴルフボール型の穴を開けて、発光ダイオードとスクリーンの間に挟む事によって実現しているとの事です。
バンダイはLEDやFLの機種の総称「LSIポータブルゲーム」としているらしいのですが、
その中でもデザイン的にいくつかのシリーズがあり、本体にも記載されていない機種が多い(このゲームでは背面に書かれているのですが)ので
シリーズ名は省きました。
実はこのゲーム、私が生まれて初めて手にした「コンピュータゲーム」なんです。それまではオセロとか将棋とか
スーパーカー消しゴムをノック式のボールペンで後押しするレースとかチョロQとかの遊びばかりしていたので黒船来航的なカルチャーショック
を受けました(笑)。ショットボタンのゴルフボールが取れて、しまいには紛失してしまいましたが、再び入手出来て本当に嬉し懐かしでした。
ゴルファーなら誰でも憧れるホールインワンの世界。ホールインワンしても賞品はありませんが、 このゴルフコンペにもそんな感動があります。右の写真がそうなんですが、はっきり言ってホールインワン 出すのは至難の業。出そうと思っても、そう簡単には出てくれません。 ホールインワンを出す難易度は、どのゴルフゲームでもそう変わりはないと言う訳です。 (この画面を撮影するまで、大変苦労しました〜。皆さんも頑張って出して下さいね!) |
参考文献:「ゴルフコンペ取扱説明書」/バンダイ