デジタルインベーダーカシオ計算機/ゲーム電卓シリーズ/1981年頃
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カシオ計算機が発売した電子ゲーム「ゲーム電卓」シリーズ。初めて見た時は衝撃的でした。 何せビジネス使用の電卓でゲームが出来てしまうのですから。 どんなゲームが遊べるのか想像が出来ませんでした(当時、電卓を所有している小学生なんていませんでした)。 当時、社会現象にまでなったゲームに「スペースインベーダー(タイトー)」(以下、業務用)があります。 (ゲーム電卓発売時にはブームが沈静化してしまってたのか知りませんが・・) おなじみのインベーダーゲーム、名前を聞いただけで誰でも分かるゲームです。 この「デジタルインベーダー」も名前から分かる通り、業務用を意識した内容となっています。 ただ画面が数字表示だけなので、業務用の雰囲気どころかインベーダーそのもの自体、再現は無理だろうと 思われるでしょう。無理もありません。なんてったって数字だけですから。 しかし、このゲームには電卓でインベーダーゲームを作ってしまおうと言う頑張りが見え隠れしていたのです。 |
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まず、ゲームキーを押すと最高得点が表示されてゲームスタートです。 最高得点の次に「ゲーム条件」が表示されてインベーダーの戦略が始まります。 画面左端が自機である砲台(と言っても数字ですが)でインベーダーは右側からじわじわと侵略してきます。 [AIM]キーを使って砲台の数字を変化させます(数字は0・・9→n→0と変化していきます)。 数字インベーダーと同じ数字にして[FIRE]キーで撃破!! 砲台と同じ数字のインベーダーが消えます。もちろんどの位置にいる数字インベーダーでも狙って消せます。 実はこの辺にこのゲームの戦略性が見え隠れしているのです。 数字インベーダーを撃破すると、撃破した位置によって得点が加算されます。 砲台の手前から10点・20点・30点・・となっており、出現と同時に撃破すると60点が加算されます。 素早く撃破しろって事ですね。 たまに出てくるUFO(”n”)が出てきたら、高得点のチャンス! 砲台を”n”に変化させて[FIRE]キーを押して素早く撃破しましょう。UFOを撃破すると300点加算されます。 逆にインベーダーやUFOに侵略されるとミスとなり、砲台を1つ失います。 砲台を3機失うとゲームオーバーです。砲台の数はゲーム中の砲台の右側に表示されています。 (UFOの要素や「侵略」されるところなど、業務用を意識していますね。数字ながら本当に頑張ってます。) |
☆インベーダー撃破・オペレーション・マニュアル☆ | |||||||
[AIM]キーで照準を 合わせろ! |
→ | 照準が合ったら・・・ | → | [FIRE]キーで 発射! |
→ | 数字インベーダー撃破! | |
説明が前後してしまいましたが、ゲーム前に表示される「ゲーム条件」は左の数字がパターン内に登場する 数字インベーダーの数になっています。全てのインベーダーを撃破すると無事パターンクリアとなる訳ですが、 ゲーム条件の右の数字がクセ者です。これは1パターン内で発射出来るミサイル数なんです。 要注意なのが、パターンをクリアする前に全てのミサイルを発射してしまうと即ゲームオーバーになってしまう と言う事です。ケチったな地球防衛軍!!(笑)。 数字インベーダーが寄ってきたり、パターンが進んで数字インベーダーの動きが 速くなったりすると緊張してしまって間違いを起こしがちです。 焦って発射ミスしないよう極力気を付けましょう(ちなみに命中音とハズレ音は違うので分かります^^)。 まだまだ特質すべき事があります。9パターンをクリアすると、今度は「パート2」は始まるのです! パート2は右から2桁目から数字インベーダーが出現する様になり、 得点が倍(砲台手前から20・40・60・80・100点)になります。 パート2のパターン9をクリアすると、再びパート1のパターン1に戻る訳ですが、 ここまで業務用の要素を取りこんでいるのには驚きです(業務用にも続編の「パート2」があります)! 高得点のコツですが、業務用と同じくUFOを上手く出現させる事にあります。 業務用のUFOにも出現の法則(16発目、23発目等)がありましたが、このゲームのUFOにもあります。 そのパターン内の撃破した数字インベーダーの数を足して、10の倍数になると出てくるのです。 ただやみくもに数字インベーダーを撃破していては高得点は望めません。 出来るだけ10の倍数になるように効率良く数字インベーダーを撃破していきましょう。 高得点には算数が出来なくてはいけないんですね。 ただし、ゲーム後半はかなりスピードが上がりますので高得点にこだわりすぎてミスしない様に しましょう。(^^;;) ちなみにこのゲームの説明書には様々な遊び方や得点によるランク表等が書かれており、 プレイヤーの遊び心に拍車を掛けるニクイ演出となっています。 |
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はっきり言って、このゲームは名作の分類に入ると思います。 数字表示と2ボタンだけでここまで「スペースインベーダー」の雰囲気に近づけたデジタルインベーダーの制作者には 感服せざるを得ません。業務用とはまた別な面白さがあるこのゲームをぜひ入手して下さい。 |
本体は何の変哲も無い電卓です(^^;)。業務に使用しても全く違和感がありません。
本体左上にあるモード切り替えスイッチは左から、「OFF・音楽モード・電卓&ゲームモード」になっています。
何とこの機種はゲームが出来るだけで無く、電子オルガン(何か言い方が古い^^;)としても使用できるのです!
しかも音楽モードの時にゲームキーを押すと、「聖者が街にやってくる」のメロディが流れるではありませんか!!
電池の消費が激しいので私はあまり使用しませんが、ここまで遊び心の入った電卓はめずらしいと思います。
今なら携帯電話の着信メロディの作成に使えそうです。この機種にはカード型のタイプもあります。
カシオのゲーム電卓シリーズは同じゲームでも数種類の機種が存在するのでコレクターの頭を悩ませます(^^;;)。
■備考ゲーム電卓を購入すると以下の様な宣伝用の紙(?)が入っていました。よく覚えていませんが、カシオの箱入り電卓を購入するとこういうのが入っていた気がします。 特に「打ち落とせ数字軍団」や「ピ、ピッと新発売」のキャッチコピーが笑えます。 いったいいつの新発売なんでしょう?(笑)。 この紙の上の部分には「只今、戦争中」となっており、切り取って立て掛けて置く事で 仕事中でも(ボスに)許してもらえる・・・そんな訳ないですね(笑)。 ■当時の思い出 当時って訳では無いのですが、前の勤務先でカードサイズ型のデジタルインベーダーを発見しました。 |