クロスハイウェイの本体

クロスハイウェイ(CROSS HIGHWAY)

バンダイ/LCDゲームデジタルシリーズ/1981年頃
(C)1981 BANDAI ELECTRONICS.

ゲーム性 ★★★★ ゲームバランスに多少難有りだが、微妙な避け行為にドキドキヒヤヒヤ!
操作性 ★★★★ キー操作に問題無し
キャラクタ(画面) ★★★★ バンダイ初期GDシリーズのキャラはナイス!
サウンド ★★★ 単純な音ばかりだが、いかにもゲームデジタルっぽい音!
ハード ★★★★ コンパクトで可愛くブランド感がある。
総合 ☆☆☆☆ 好みが分かれると思うが、達成感はある。必ず手に入れたい一品だ。

■ゲーム解説:ヨッパライは無事横断出来るか!(パッケージより)

車を避けて、道路を横断しよう!
現実にありそうな題材を選んでくるから、バンダイはスゴイ!(笑)
 今から約20年前、現在第一線で活躍している20第後半の世代の人がまだ幼少の頃、
「電子ゲーム」という携帯ゲーム機が発売され、一大ブームを巻き起こしました。
そのブーム時に欲しい物を好きなだけ手に入れる事が出来た人は少ないでしょう。
友達が所有しているのを見て欲しくなる等、「欲しかった」けど数少ない機会の際、
ふとした理由で「別な機種を購入」してしまい、「憧れの機種」で終わったゲームも少なくないと思います。
「クロスハイウェイ」も、筆者の中では憧れの機種でした。
年1回の限られた機会で購入を迫られた私は、欲しかった「クロスハイウェイ」「大地震」が売り切れの中で、
やむを得ず「バクダンマン」を選択しました。これは結果的に良かったのですが、
電子ゲームブーム真っ最中は商品の移り変わりの激しく、翌年に同じ機種が店頭に並ぶ事は
ありませんでした。
 こうして、手に入れる機会を失い、ブームがとうに過ぎた現在に欲しかった電子ゲームを手にしてみると、
TVゲーム慣れした今日では想像できない程、ゲーム内容が単純であっさりしているのに驚く事でしょう。
電子ゲーム後期になると複雑なルールのゲームも発売されるようになりましたが、
それでも1日でも遊べば内容を把握出来るし、単純なゲーム内容の方がずっと多かった実情がありました。
よって、今プレイしても、よほど思い入れが無い限り、長続きしないのが現状でしょう。
しかし、このゲームも当時の人気機種、モノ珍しさだけで子供達が熱中していたのでしょうか・・・・。
さっそく紹介して、その謎を探ってみたいと思います。
★クロスハイウェイ・キャラクタ紹介★
ヨッパライおじさん(プレイヤー)
とクラブのママ(推定)
車(タクシー、トラック、乗用車) 踏切と電車
同じ「避けゲーム」のヘルメットと比べると、なんてアダルトチックなんだろう…。 1台くらい止まってもいいのに、このタクシー群…。 そういえば、交差点前のコンビニで止まっているコンビニのトラック、ムカツキますね、邪魔過ぎて(全然関係なし ^^;) 無理矢理前に入ってくる自動車って嫌ですよね、危なくて。 何を運んでいるトラックなのか、非常に気になるところです。 踏切が上がっているのが一瞬な時があるぞ…大丈夫か?!
クラブのママに見送られ、
デレデレ状態のおじさん。
このママはいったい、何人の
ヨッパライを見送ったのだろうか
プレイヤーの行く手を阻む存在だが、実は車は何も悪い事は
していない(笑)。道路奥の乗用車はスピードが速いので要注意。
やたら上げ下げの激しい踏切は
業務上問題は無いだろうか(笑)。
最寄り駅のK生駅も
結構上げ下げ激しいです。(^^;
 さて、ゲームの説明に移りますが、まず画面最下段に立ってる「よっぱらいおじさん」、
お土産片手にゴキゲンですね。
このおじさんがキョロキョロしてますが、何をしたいのか分かりますね?(笑)
そうなんです、「道路横断」したいんです!しかし、道路横断って飛び出し事故なんかあって危険ですよね。
お決まりですが、良い子のみんなは決してマネしないようにしましょう!
(って、良い子のみんなは世代が違いすぎて、このページなんか見ないと思いますが ^^;)
でも、このおじさん大丈夫なんでしょうか?
そこであなたはおじさんとなって道路の向こう側に導いてあげましょう。
具体的には、[UP][DOWN]キーでおじさんを前進、後退させるだけなんですが、これがまた交通量が
多いのなんのって(笑)。
なんで近くに横断歩道が無いのか!って疑うほどです。車は車線によって、移動する方向が決まっていますが、
隣り合わせになった瞬間に追突扱いでミスになるという”辛口設定”になっていますので注意してください。
しかも、せっかく向こう側に行こうとしても、なんと踏み切りが上がっている時でないと、
渡り切れないのです。(涙)
避けて避けて避けまくれ!
普通は交通量の多い道路の向こう側に駅は無いよね(ゲームと同じような場所があったら写真希望デス!)
コツをつかもうとしないと即ゲームオーバーだ
とびだし事故に注意しよう!
おじさんより小さいトラックにぶつかっているが、もしこれが本当だったら即死でしょう。減速してないし。(^^;
ピーポー 安易な気持ちは「死」を誘う、サラリーマン魂が試されるゲームだ!(なんのこっちゃ^^;) ポーピー
タクシーが人を轢いたなんて、聞いた事がない…。
ちなみにゲームの流れからして当然の事ながら、この踏み切りは降りている
時間の方が長いです。(笑)
踏み切りを越えると10点加算されて、次のおじさんが出てきますが(笑)、
踏み切りを越える時に電車が来ていると(無事に電車を乗る事ができ)、100点が
加算されます。
このゲームではゲームデジタルシリーズ伝統の500点のボーナス制度が無い為に、
100点は貴重な得点源となります。
…とは言え、踏み切りの上げ下げが気まぐれの為に、そう狙って稼げる訳では
ありませんが、時折、踏み切りが長時間上がっている時があるので、
[UP]キーを押しまくってダッシュしましょう。
もちろん、道路の向こう側に行く事ばかりにこだわると、
あっという間におじさん3人病院送りになってしまいますので、
戻る事も必要です。注意しましょう。
ミスマークの包帯巻いたおじさんの姿が痛々しいじゃありませんか。
このゲームは当たり判定が厳しすぎる為に非常に難しく、ただ黙々とプレイしていても
絶対に高得点は望めません。せいぜい500点止まりでしょう。
では、どう対策するか?
まず、あまり踏み切りの手前で待たないようにする事です。
一番奥の車の移動速度が速いせいもあって、その下の車と重なり、逃げ場が無くなる事が多いのです。
車が来たら、早めに車が来ていない車線に移動しましょう。
次に車線に車があっても、じっくり車の動きを見て移動するようにします。
車が通りすぎたところを素早くに移動するようにすれば、以前は車に挟まれて脱出不可能な場面でも、
切り抜ける事が出来るようになります。
といっても上級者レベルのゲーム2で2000点を越えると、速度制限がかなり緩和されて、
車の速度がアップするので、更なる策を見いださなければなりませんが…。

 単純ながらもやりこめば分かるこの駆け引き、奥深さ。
これがこのゲームの面白さなのです。ただ、得点源が10点と100点のみで幅がありすぎてスコアが
上がりにくい実状や、踏み切りの上げ下げの間隔や厳しい当たり判定で高い難易度になっているのが
評価の分かれるところなんですが…。
速度規制大幅緩和のG2は手強い!(笑)
そこまでキケンを冒して、何故道路を渡るのか?電子ゲームのゲーム設定はとにかく"矛盾だらけのゴリ押し"でした・・・。
ゲームスピードは、500点で上がり、
1000点で一時的に低下。
2000点でスピードアップする!

 私自信は「単純=飽きやすい」現状でも、時々ふとプレイしたくなるというリプレイ性の高さが電子ゲームの良いところだと思うのです。
気軽に遊んで気軽にリプレイ・・・。複雑化している近年のゲームではなかなかそうはいきません。
電子ゲームのような気軽にプレイ出来るゲーム内容は非常に「携帯ゲーム」向きであると言えます。
ロールプレイングゲームやシミュレーションゲームは家で腰を据えてじっくりプレイすれば良いのですから。
(余談ですが、私がイチ押ししているリンクスのカリフォルニアゲームスは携帯ゲームの特性を活かした手軽で、
しかも新鮮なゲーム内容だったのですが、残念ながらハード自体がそれほど普及しませんでした。)
このゲームは携帯ゲームらしさだけでなく単純なゲーム内容から見え隠れする「奥深さ」があるのです。
その「奥深さ」をプレイしながら、導き出すのも、また楽しいではありませんか。

★バンダイゲームの人気のヒケツ★
「ハイウェイ(高速道路)に踏切があるか!」とご指摘する方もいるとは思いますが、"ハイウェイ(Highway)"は「公道」の意味がありますので矛盾はありません!
任天堂が「浪漫主義」で、バンダイが「写実主義」って感じかな?
 余談ですが、このゲームの人気のあった背景には
ゲームタイトル「クロスハイウェイ」のカッコ良さがあると思います。
同シリーズ「バクダンマン」「大地震」「オットセイランド」「ツッパリカラス」
の中で比べれば歴然でしょう。
バンダイゲームの特徴として、電子ゲーム晩年まで、
実生活に絡んだ題材をゲーム化しており、
非常に親しみやすい内容になっています。
実生活をいかに面白くゲーム化するか…、
これがバンダイゲームの「面白さのヒケツ」なのです。
ゲーム内容的には、業務用のフロッガーを参考にしたか分かりません
が、同タイプのゲームに、「ヘルメット(ゲーム&ウォッチ/任天堂)」
があります。
こちらはバランス調整が絶妙で適度な難易度でお薦めなんですが、
クロスハイウェイの方は高難易度のおかげで、
マラソン等で一線を越えた時のアドレナリンを分泌しまくったような
快感が味わえます。(笑)
いつでもどこでも暇な時に、プレイするところから始めましょう。
きっと虜になるでしょう。
「奥深さはデータの多さじゃない!」を知る事が出来る
ゲームなのです。

■本体解説:電子ゲームのもう1つの顔”ゲームデジタル”

 ゲームデジタルシリーズに関しては「バクダンマン」「大地震」を御覧下さい。
ゲームデジタルの4800円シリーズの第1作がこのゲームです。このシリーズには付属のケースが
付いている事を「大地震」の紹介で説明しましたが、ケースに書いてある説明文が
「クロスハイウェイ」と他とで微妙に違います。[SET]キーがある機種と無い機種がある為です。
ゲームウォッチでは画面サイズが常に固定していましたが、
ゲームデジタルにはゲーム内容によって縦画面と横画面がありますが、このゲームは横画面です。
(縦画面=バクダンマン、ツッパリカラス 横画面=クロスハイウェイ、大地震、オットセイランド)

■備考

 このゲームは、後にキャラクターゲーム「なめんなよ」としてリメイクされています。
「クロスハイウェイ」は横画面に対し、「なめんなよ」は縦画面で道路を横に横断するようになっており、
一見すると別ゲームに見えるところが恐ろしいです。誤って両方買ってしまった方は
さぞかしショックだった事でしょう。(^^;
当時の子供達のブランド”ゲームデジタル”
G&Wパクリ傾向のある他社製品と比べると、その差は歴然の「ゲームデジタル」。バンダイは新しいアイデアを作るより、新しいアイデアをより活かした製品を作るのが作るのが得意な感じがするのです。
コンパクトでブラック・シルバーの
ツートンカラー、ケース付きと
手慣れたゲーム内容で独自色を打ち出し、
"ゲームデジタル"はブランドと化したのでした。

Special Thanks!:ぴょん吉氏

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