クレイジー・クライミング(CRAZY CLIMBING)バンダイ/1981年頃
|
この「クレイジークライミング」は前に紹介した「ヒステリック・ママ」とは違い、 日本物産の許諾を得て業務用の「クレイジー・クライマー」を移植したものです。 ゲーム内容は業務用と同様にクライマーを49階まで登らせれば1パターンクリアとなります。 蛍光管表示は3列しかありませんが、スクロール制を採用して5列となっており、 固定画面主流の電子ゲームで上左右スクロールするのはかなりめずらしいと思います。 業務用で登場した「キングコング」や「落ちる看板」は登場しませんが、 シラケ鳥がフンを落としていったり、おじさんが植木鉢を落としてクライマーのジャマをします。 これらの敵の攻撃に当たっても、両手を揃えていれば(ふんばりのポーズ)、300点減点されるだけで ミスとはなりません。逆に両手を揃えていなかったり、手を掛けている窓が閉まって挟まれると クライマーは転落してしまいミスとなります。 業務用のクレイジー・クライマーは2本レバーでの操作が斬新かつ新鮮でしたが、 このゲームでも同様な感覚を味わう事が出来ます。 ただし業務用とは違って蛍光管表示の制限から、2つの窓に手を掛ける事は出来ませんので 多少操作方法が変わっています。 基本的には左右の手を交互に上げ下げして登っていきます。 左の写真の場合は、次に左手を下に、右手を上にする事により1階上に登ります。 レバーを左右同時に操作しないと動作しないので、二人三脚の様な感覚で進むとスイスイ登れます。 ただし、自分の手を掛けている上の階の1つ上の窓(つまり2つ上の階)が閉まっている場合は、 まず両手を上にしてから、両手を下にして登ります。 この様に少し複雑ですが、実際に自分に置き換えたりして考えてみると納得の出来る操作方法となっています。
かなり頑張って業務用を忠実に移植している感じがするクレイジー・クライミングですが、
実際にプレイしてみると以下の点に気づきます。 ビルのドアは一度閉まったらなかなか開きません。自分の周りのドアが全て閉まってしまったりする事がしばしばあります。 こうなるとプレイヤーは敵の攻撃を避ける事が出来ずにただひたすら耐えるしかなく、 じわじわと減点されていくので納得出来ません。 又、植木鉢とフンが同時に落ちてくる場合があり、この場合は他の列に移動するしか避ける方法がありません。 (ふんばりポーズで落下物を受け止めると左右の手がバラバラになり、もう1つの落下物に当たってミスとなる) これらのケースはユーザーのゲームレベルとは関係なく、不条理であり、納得できませんので 改善して欲しかったものです。事実、これらのおかげで難易度がアップしています。 何はともあれ「クライジー・クライミング」は、一度は2本レバーに触ってみたい・・・そんな感じのゲームです。 |
やはりなんと言っても、2本レバーに尽きるでしょう。 蛍光管表示(FL)なので乾電池・ACアダプターの2電源方式となっています。 バンダイ製ゲームにしては、サウンド機能がありません。 この当時のバンダイ製FLゲームはメタリックなボディが多く、高級感があります。 おそらく子供だけではなく、アダルト層も購入対象に考慮していたのではないでしょうか? このゲームの標準小売価格は8,200円と玩具としては非常に高額ですが、 FLゲーム機としては標準的な価格です。 この時代はゲームに対して、今の様に一般娯楽の一部としての認識がなく 「ゲームに1万円近く注ぎ込む」事にどうしても納得できない親が多く、 なかなか買って貰えなかったのではないでしょうか? |
参考文献:クレイジークライミング取扱説明書