アミダー(AMIDAR)学研/1982年頃
|
|
昔のコナミは良かった・・。黎明期の業務用ゲームやファミコン(FC)・MSX等で数々の良質ゲームを発売、 多くのファンを魅了してきました。そして、ナムコやタイトーなどと共にゲーム文化の発展に大きく貢献した 大手ゲームメーカーです。 「グラディウス」「ツインビー」はご存知の通り、大ヒットとなって看板シリーズとして現在でも続編が登場しています。 特にコナミはMSXにも非常に力を入れており、他機種同様に名作ゲームを次々連発、 「コナミ無くしてMSXは語れず」と言っても過言では無かったのです。 私はFCの「沙羅曼蛇」「グラディウスII」の渾身の出来に感激し、 MSXの「メタルギア」でデータレコーダーをピーピーガーガー言わせながらMSXFAN片手にクリアしたり、 「グラディウス2」等に搭載されたSCC音源の音色に胸を打たれたものでした。懐かしい思い出です・・・。 (さすがに最近のジャレコの「VJ」を巡る争いには興ざめしましたけど。^^;;;;) さて、話は横道に反れましたが(反れすぎ ^^;)、電子ゲームの発売された頃の コナミのゲームと言うと「フロッガー」「スクランブル」「スーパーコブラ」等があります。 聞き覚えのある方が多いかと思いますが、コナミのゲームの多くは電子ゲームに移植されているのです。 今回紹介する「アミダー」も業務用で、アイデアが光る佳作といったゲームでしたが、 気になるのは制限の多い電子ゲームへの移植具合。 あまりにアレンジが掛かりすぎても、「マリオブラザーズ」の様な秀作で無い限り、 業務用ファンを魅了する事は出来ません。 はたして、電子ゲーム版「アミダー」はどのような出来になっているのでしょうか? |
「アミダー」・・この名前を聞いてピンと来ない人はまずいません。(笑) ゲームフィールド上がアミダ状になっているから付いた名前でしょう。 安直かもしれませんが、世の中の商品名なんて皆こんなもんです。 (例えばNTT関連で言えば「ドッチーモ」「テレホーダイ」等とか、 最初聞いた時はギャグかと思いました。それと「〜くん」と言う名前が 付けられている場合は大抵その商品の内容から付けられている場合が 殆どです。要するに聞いてすぐ分かる名前にしているんですね。^^;;) 電源スイッチをゲームAにするとデモンストレーションが始まるので JUMPボタンを押すと、メロディが鳴ってゲームスタート! (ここでピンッと来た方はかなりのゲーム通です!このメロディ、 なんと業務用のメインBGMなんですね。なんだか学研の意気込みが早くも 感じられますね。) |
|
|
ゲームAでは、アミダ上のフィールドにエサが散りばめられています。 ブタを動かしてモンスターを避けながらエサを全て食べてしまいましょう。 (業務用では訳の分からないキャラばかりでしたが、 変更された電子ゲーム版のキャラの方が可愛くて良い感じです。) エサを食べる毎に10点が加算されます。アミダ状の迷路にはフルーツが 隠されており、周辺のエサを食べるとフルーツが出現、20点が加算されます。 ゲーム開始初期からモンスターが3匹とキツイ設定ですが、もしモンスターと ぶつかりそうになったら、JUMPボタンを押す事で1パターンで3回、回避できます。 全てのエサを食べると1パターンクリアです。 尚、四隅のフルーツを出現させると、一定時間無敵になって敵に逆襲出来ますので エサを1つだけ残しておき、タイミングを見計らってパワーアップするなど有効に 利用しましょう(モンスターを1匹目は10点/2匹目は20点・・と得点が加算されます)。 このゲームAでは「パックマン」風な内容となっていますが、テンポが早く フルーツ出現やゲーム音の賑やかな演出が手伝って一味違う内容となっているのです。 ゲームAやゲームBを1パターンをクリアするとアミダくじのボーナスゲームが 楽しめます。移動しているブタをJUMPボタンで止めて、アミダくじをスタート! (私はこの時、「あみだっくじ〜あみだっくじ〜・・」と言う「オレたちひょうきん族」の 「タケちゃんマン」で出てきた「アミダババァ」の歌が思い浮かんでしまいます・・。) 無事、アミダくじが成功するとボーナスとして100点が加算されます。 アミダくじ上でのブタの動きは決まっているので、止める位置を把握しておく事も 高得点のカギと言えるでしょう。 |
|
ゲームBではゲームAとは全く違う内容になっています。 今度はブタを動かすと足跡(点)が出来ます。足跡で四角く囲うとフルーツが 出現します。フィールド上を全ての足跡で埋めると1パターンクリア。 ただし、囲う途中で別な場所を(四角く)囲おうとすると、今までの付いてきた足跡が 消えてしまいますので注意してください。このゲームBこそアミダーの醍醐味でしょう。 敵を避けながら足跡を全て埋めるのは容易な事ではありません。 このアミダー、ボーナスゲームのアミダくじはもちろん、緊急回避の要素、 パワーアップ要素や2種類のゲーム構成・メロディなど、業務用ファンも うなずく再現度です!学研の移植にこだわり・意気込みがヒシヒシ感じられるのです。 電子ゲーム版を先にプレイした人が、タイトルを伏せて業務用をプレイしても 何のゲームか分かる位だと思って差し支えないでしょう! 強いて違う所といえば、業務用では2種類のゲームを交互に登場させる面構成 でしたが、電子ゲーム版ではそれぞれ独立した形になっていると言う事でしょうか。 単に「見た目」のゲーム数を増やしたかったと言うのもあると思いますが、 おそらく業務用と違い電子ゲーム版では2種類のゲームの見分けが付かないと言った 理由もあるのでしょう。 |
|
|
このゲーム、画面がカラフルなだけでなく、フルーツ出現などの効果的な演出、 軽快で多彩なメロディも、テンポが良いゲーム内容をさらに盛り上げているのです。 この三拍子はそう実現できるものではなく、「アミダー」自体が電子ゲームに向いて いるのと、電子ゲーム上でそれを見事に再現した学研の技術の現れでしょう。 (カラフル・メロディが休み無く鳴っているバンダイの「きてよ!パーマン」は それほど盛り上がりません。これはゲーム内容にも問題があったのかもしれませんが・・。) しかし、悲しい事にこの機種(同シリーズ)には「ディグダグ」がありました。 業務用の「ディグダグ」は当時爆発的人気、ナムコの看板ゲームと言っても過言では ありません。電子ゲーム版でも、その人気を反映してか「アミダー」よりも 「ディグダグ」の方が人気があったのでした。 はっきり言って、電子ゲーム版では面白さにおいて「アミダー」は「ディグダグ」 より数段上だと思います。レア価値など抜きにして、遊んでいただきたいゲーム、 それが「アミダー」です。そろそろ正当な評価をされても良いかと思う今日この頃です・・・。 |
|
本体機種には「アミダー」の他に「ディグダグ」「ジャングラー」があります。 折りたたみ式のこの本体、さぞかしコンパクトになっている事と思いきや、 かなりのデカさです。当時、電子ゲーム本でさぞかし小型化しているだろうと思っていた私は ゲーム機本体を見て驚いてしまいました。 単2乾電池×4本使用とくれば、本体がかなり大きいと想像できますね。 私個人では「ボンブマン」並に小型化していれば何処でも持ち運びが出来て嬉しいのですが、 これが「アメリカンスタイル」・・いや、「アーケードスタイル」なのでしょう。 がっしりした本体、大画面、派手なメロディ、そして多い消費電力・・(笑)。 FL機には「小型」は似合わない・・当時の電子ゲームのラインナップから見てもそう感じ取れます。 この機種、レンズ使用の拡大画面やレバー・ボタンの位置など本体デザインは良いと思います。 画面を閉じるとレバーなどの操作部分が隠れるのも特質すべきところです。 ただ画面を閉じた時に見える本体上部のアミダーの絵がシールと言う若干頂けない部分もありますが・・。 実用性と見た目の両方を兼ね備えたデザインとしては参考になると思います。 |
とにかくカラフルな画面の「アミダー」。もっともっと堪能したい!・・と思ったアナタに朗報です! 説明書に記載されていないのですが、JUMPボタンを押しながら電源を入れると、 右図の様に全パターンが表示されます。 しかも徐々にパターンが表示されていくと言う凝りぶり。 これはもしかしたらテストモードってヤツでしょうか?! ひょっとしたら業務用の立ち上げ時の画面を意識しているのかもしれませんね。 この抜け目の無い作り、学研製のFLゲームには「力作/名作」と呼ばれるものが 多いのです。 どう考えても、学研にゲーマー魂(根性)を持った社員がいたとしか思えません。 そう思うととても親近感が沸きますね。(当時はTVゲーム業界にも参入してましたし・・) 私は前から思っていたのですが、学研の「フィッシングボーイ」の箱を見ると、 問い合わせ先が「知育トイ事業部」になっています。 もしかしたら、電子ゲームは「玩具」じゃなくて(子供の頭脳を発展させる)「教材」だ!! ・・とか言う意気込みで電子ゲームを発売していったのではないでしょうか? でも、アミダーでは「知育トイ・ホビー事業部」になっている事から「やはり玩具だ」との 意見に落ち着いた・・・と、勝手な想像を膨らませてしまうのですが実際はどうなのでしょう? |
|