子供の良いテキストになれる・・・カナ?

死神くん 不可思議堂奇譚

死神くん・不可思議堂奇譚(えんどコイチ先生著・集英社)


死神くん全巻写真2  先日、古本屋に立ち寄った時にこの本に目が止まりました。
私は実は今は亡き「フレッシュジャンプ」を購読していて、このマンガの他にも、
こちら埼玉山の上大学ボクシング部(唯洋一郎先生著)」「臨機応変マン(ガモウひろし先生著)
など、個人的に好きなマンガが結構多い雑誌でした。
昔、このマンガを読んで結構感動してた思い出があるので全巻揃って2,600円と安かったので
迷わず購入しました。

 「死神くん」のストーリーはと言うと、霊界に魂を運ぶのが仕事の死神くんが人に死を宣告し、
成仏出来るように色々動き回るって感じなのですが、話の内容が毎回良くて感動しっぱなしです。
私は感動的な話の連続で思わず涙してしまいました(汗)。

 「死神くん」の良い所は、読み切り型になっているのでどの話からでも物語に入りやすい事や
その話の主役が大抵の場合、死んでしまう事などがあります。
又、話の内容も「イジメ」や「戦争」、「教育のあり方」など実際に起こっている社会問題も多く
取り上げています。
 感動的な話を持つマンガはかなりありますが、こういった社会問題を取り上げているマンガは
少ないと思います。

 死神くん、悪魔くん等のキャラクターも可愛いらしく、レギュラーキャラも少ないので
感情移入しやすいのです。絵柄はコミカル調であまり上手いとは言えませんが(失礼)、
この絵柄のおかげで死神くんや作品中の無邪気な子供達が生まれた訳で、
このマンガにはピッタリだと思います。

 このマンガからは「人の命の尊さ」や「人間関係の大切さ」など感じる事が出来ると思います。
死神くんの説教シーンや(たまに出てくる)悪魔くんの心遣い(笑)にもジーンとさせられるモノがあります。
えんどコイチ先生は、こういう話が自然に生まれる・・そんな純粋な心の持ち主だと、
当時から感動していました。

 えんどコイチ先生と言うとアニメ化にまでなった「ついでにとんちんかん」が有名ですが、
個人的にはこちらの方が好きです。
今でも思うのですが、何故「死神くん」がアニメ化しなかったのか不思議でなりません。
私は是非、「死神くん」を復活させて欲しいと思います。
今の子供達にはこのようなマンガが必要なのではないでしょうか。

皆さんも是非、このマンガを読んでみる事をお勧めします。
全巻揃えても高い金額にならないと思いますので損はしないと思います!
不可思議堂奇譚  「死神くん」連載終了後、えんどエイチ先生が「不可思議堂奇譚」と言う
マンガが連載されていたのです!内容はもちろん人情モノ(?)!!
不可思議堂の店員(穰・無量)が様々な商品を通じて人々の心の隙間を埋めていくと
いった感じの内容で、基本的には「死神くん」のスタイルが継承されています。
それ故に感動する事間違い無し!!

 このマンガでも社会問題を通じて、人々の繋がりを克明に描いています。
1巻で終わってしまったのが非常に惜しいです。泣ける話が多いのです。
私的な感想を言うと、「ど〜してコイチ先生はこんなに感動するマンガが描けるの?」
と思ってしまうと共に、何度も読み返してしまいました。

不可思議堂の店員「穰」「無量」の活躍を是非御覧下さい!!

☆私が選んだ「死神くん」・ベスト7☆

サブタイトル(単行本収録巻) あらすじ(途中まで)
うそつき探偵団(9巻)
 死を宣告されてしまったおばあさんは、出来たばかりの少年探偵団に人捜しの依頼をする。
その探して貰いたい人と言うのは45年前に生き別れてしまった許嫁だった人なのだが、
子供たちは悲しい現実に直面してしまう・・・。
なにかしようよ(9巻)  死を宣告されてしまった女子中学生は、残された1週間で自分が何をするために生まれてきたのか、
何が出来るのかを苦悩する。クラスの不良たちと気球作りをする事になるが、この時の少女が一番
輝いていたのだった。
心美人(4巻)  火事で失明して顔に大きなキズを負ってしまった友人の真美を励まそうと、毎日見舞いに来る
心優しい福子。そんな彼女(福子)は死神くんに死を宣告される。自分の命が残り1週間になっても
真美の事を考えてしまう彼女はデブ・チビ・ブスでいじめられていたが、心は人一倍美しかった。
おばあちゃんの空き地(4巻)  おばあちゃんの家の前の空き地は子供の遊び場となっている。
おばあちゃんは子供達から「鬼ババ」と恐れられているが、実は子供好きな優しいおばあさんなのだった。
子供達におばあちゃんの想いが伝わるだろうか・・・。
娘どろぼう(7巻)  死の宣告を受けたどろぼうは侵入した家で、偶然にも(捨てた)自分の娘と遭遇してしまう。
実は娘は残り1週間の死の宣告を受けていた。事実を知った父は・・・。
蛍祭り(9巻)  研二は父が工場を建てた事により蛍がいなくなったといじめられていた。
祖父が蛍の幼虫の餌のカワニナを育てているのを知り、研二も蛍に興味を持ち始める。
祖父の命があと1週間と知り、研二は必死になって蛍を見せようと探しまくるが・・・。
ピーマン食べた(13巻)  のぼるの両親は借金のため、一家心中を計ろうとする。のぼるは一命を取り留め、元気になったものの、
両親は生きる気力の無さから肉体と魂が分離した状態になってしまった。
のぼるは両親が喧嘩ばかりしているのは自分に原因があると思い、悪魔の力を借りる。
のぼるが命と引き替えに要求した3つ目のお願いとは・・・・。

☆「不可思議堂奇譚」・オススメ2(1巻しか出ていないのでピックアップしました)☆

サブタイトル あらすじ(途中まで)
幸福の缶詰
 災害などで両親を失った子供達を引き取る施設「あすなろの里」は資金面で閉鎖の危機に
立たされていた。施設のみんなで必死に働いて貯めた100万円も、
既に施設閉鎖を決定していた細川財団の前では何の役にも立たなかった・・・。
苦労のお守り  ある会社の会長を務める尾上は30年前、友人の神崎にお金を持ち逃げされてから人間不信に
陥っていた。何の苦労も無く会長になり悠々快適に過ごす尾上とは対照的に
神崎は身も心もボロボロになっていた。尾上と神崎は30年振りの再開を果たすが・・。

両マンガとも、この他にもたくさん感動的な話がありますよ!(マジで)


Very Thanks!:ぴょん吉氏

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